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羊蹄山、ニセコ、北海道の山々を舞台にした自然を満喫していいます!

夕張岳 登山ガイド

やっぱりすごい。 夕張岳は。
花・花・花の山なのだ!

今回(2012年7月1日)はユウバリソウとナンブイヌナズナが見たかったのだけれども、ちょっと遅かったようだ。
ユウバリソウの花は見られたが、ナンブイヌナズナはもう終わっていた。

それでも夕張岳は裏切らない。 
毎回違う表情を必ず見せてくれる。

私がうれしかったのはエゾタカネスミレが見れたこと。
頂上の少し手前、吹き通しで岩礫にへばりつくように咲いていた。


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エゾタカネスミレ

高山の礫地に生きるこのスミレは私の地元の山、羊蹄山の植物リストにも出ているのだが、見つからなかったスミレなのだ。 
最近羊蹄山のエゾタカネスミレは父釜の火口の中で生息しているらしいことを知った。 
どんなに登山道周辺を探しても見つかるはずはないのだ。


夕張岳がなぜ花の名山と呼ばれるかだが、それはやはり多種多様な花々が見られるからだ。

夕張岳には蛇紋岩という超塩基性岩が出ている場所がある。 この岩は超塩基性の(強アルカリ性)の岩なのでそれに耐えられる植物しか生きていけないのだ。
普通ならば蛇紋岩は崩れやすい性質を持っているため、長い時間雨風を受けるとどんどん崩れ落ちてしまい高山には残りづらい性質のものなのだ。

ところが夕張岳では緑色片岩という硬い性質の岩山にちょうど蛇紋岩がはさまれるような形となっているため、標高1500m付近でも蛇紋岩がたくさん露出している。
その奇跡的な形状を蛇紋岩メランジュ帯と呼んでおり、植物群落を含む全体が国の天然記念物に指定されている。

夕張岳の強アルカリ性の住みづらい土地に耐えられるよう長い年月をかけて進化し、その土地固有の植物が生まれて、夕張岳に独特の植生を作っている。 

また夕張岳の登山道は沢から始まり、尾根、湿原、吹き通し、頂上部など環境の変化が非常に大きい。 多様な環境が多様な植生を発達させ、そこに多くの花を咲かせるのだ。

これらの理由で夕張岳には固有種が多く、花の種類も非常に多い。 
季節が変わっていってもいろいろな花が次々、楽しませてくれるのだ。


夕張岳は、札幌から車で2時間半、西に走った夕張山地にある。
国道452号線から林道の入り口は、シューパロダム建設のため国道が付け変わり変更となったので注意が必要。 
小さい青い看板に『夕張ダム 夕張岳』と縦書きで書いてあるが少し分かりずらい。

登山道入り口から望岳台までは、途中のアカエゾマツの植林以外は大きな蝦夷松やトドマツの混じる感じのよい針広混交林の中をしっかりと高度を稼ぐ。
足元にはズダヤクシュ、オククルマムグラ、タニギキョウ、ミヤマハンショウヅルなどが咲いていた。 

石原平付近はシラネアオイの大群落がある。 ところどころに残雪も残っておりシラネアオイ、サンカヨウ、エンレイソウ類も見られた。 ムラサキエンレイソウも見られちょっとうれしかった。

夕張岳の中間に位置する前岳の中腹をトラバースして、前岳湿原に入る頃からいろいろな花が次々と現れる。
ケエゾキスミレ、フチゲケスミレ、エゾウサギギク、マルバシモツケ、チシマフウロなどが現れ、蛇紋岩露出地にはユウパリコザクラ、ミヤマアズマギクなども見られた。


1400m湿原にはチシマキンポウゲ、シロウマアサツキ、シナノキンバイ、ミヤマリンドウの花が見られ、ラッキーなことにオオバタチツボスミレも一株見られた。

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シロウマアサツキ


ガマ岩の脇を抜け吹き通しに着くと今日のクライマックスが待っていた。

右手にはミヤマアズマギク、エゾシオガマ、チシマキンレイカ、ミヤマオダマキのお花畑が広がり、左手にはエゾタカネツメクサ、エゾタカネスミレ、クモマユキノシタ、ユウバリソウ、エゾミヤマクワガタ(クワガタムシではないですよ~)の花々が礫地に点在していた。
お客様も大満足のお花畑だった。

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頂上からの眺めは最高で、来たには芦別岳への山並みや富良野盆地、東には金山湖、西には前岳やガマ岩など歩いてきた道が見える。

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山頂からの芦別岳

花は多すぎて書ききれない程あり植物好きにはたまらないレアな花も数多い。
眺望、花、山の雰囲気すべてがそろったすばらしい北海道を代表する山である。

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山頂部に多いノゴマ
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  1. 2012/07/06(金) 13:43:42|
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